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弾性波デバイス 徹底解説


定価 ¥ 77,000(税込)
販売価格 ¥ 77,000(税込)
商品番号:dp0058
ISBN: 978-4-907002-89-3


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■販売者:パテントテック社

■出版社:S&T出版(株)
■資料体裁:A4判 並製本 396頁
■発刊日:2022年3月1日

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■著 者

<監 修>
門田 道雄 東北大学

<執 筆>
門田 道雄 東北大学
近藤 淳 静岡大学
黒澤 実 東京工業大学
井上 将吾(Shogo Inoue) Qorvo, Inc.
堤 潤 Qorvo Japan(有)
倉知 雅人 (株)山寿セラミックス
高橋 秀彰 (株)山寿セラミックス
長谷川 弘治 室蘭工業大学
越野 昌芳 弾性波・高周波デバイス技術コンサルタント
佐藤 良夫 元 太陽誘電モバイルテクノロジー(株)
上田 政則 太陽誘電モバイルテクノロジー(株)
原 基揚 情報通信研究機構
末松 憲治 東北大学

■趣旨

 圧電現象を利用した民生用弾性波デバイスでは,水晶や圧電セラミックを用いたバルク波(BAW)の共振子やフィルタなどが古くから実用化されてきた。一方,弾性表面波(SAW)については,1885年のレイリー波の発見以来,弾性表面波(SAW)の研究は長い歴史があるが,民生品への応用は歴史が浅く,1960年代のすだれ状電極の発明と1970年代のテレビの映像中間周波数用フィルタにSAWを応用した論文の報告以降,全世界の多くの研究機関や産業界でSAWフィルタの開発・実用化の取り組みが始まった。LiNbO3(LN)やLiTaO3(LT)の単結晶,ガラス基板上の酸化亜鉛薄膜,圧電セラミックを用いたトランスバーサル型SAWフィルタが,民生用にはじめて実用化された。
 その後,携帯電話やスマートフォンの登場により,小型,高周波,高性能な高周波フィルタが要求され,それらに適したAlN多結晶薄膜を用いたBAWフィルタやLNやLTを用いたSAWフィルタが開発され,今では,それらの機器に欠かせないキーデバイスとなっている。 近年のスマートフォンの普及により,(1)第4世代では多バンド化のため,使用周波数帯(バンド)がより細かく配置され,(2)高速・大容量中心を目指した第5世代では,より高周波帯が使用されている。前者(1)では,従来特性より高性能な特性が要求され,その特性を満足する新しい構造のSAWデバイスが開発されている。後者(2)では,従来に比べ高い周波数デバイスとして,板波,音響多層膜構造縦波漏洩SAW,高調波SAWなどの高周波デバイスが研究されている。今後もスマートフォンなどの移動帯通信には,弾性波デバイスはますます,重要な役目を果たすものと考える。
 BAWおよびSAWの弾性波デバイスを解説した本は今までも多く出版されているが,それらの本には上述のような新構造SAWデバイス,高周波SAWデバイス,高周波板波デバイス,高周波用単結晶BAWデバイスなどについてはほとんど記されていない。本書ではそれらに加え,BAWやSAWを学ぶための基礎的な内容,開発・実用化に従事された執筆者による実用化されたデバイス,今後期待されるデバイスなどについても記されており,豊富な内容になっている。御多忙にもかかわらず御執筆いただいた方々には,深く感謝致したい。本書が新しいヒント,アイデア,あるいは新製品開発などにつながれば,非常に大きな喜びである。  (門田道雄「はじめに」)



第1章 圧電基板(固体)を伝わる波
1. バルク波
2. 弾性表面波(Surface Acoustic Wave : SAW) 
2.1 圧電基板単板を伝わる弾性表面波
2.1.1 レイリー波、LSAW、LLSAW
2.1.2 BGS波
2.2 LSAWにおける漏洩成分の消去
2.2.1 Love波
2.2.2 他の下地基板と組み合わせることによる漏洩成分の消去
2.3 層状構造
2.3.1 レイリー波とセザワ波、およびその高次モード
2.3.2 境界波
2.3.3 異基板層状構造SAW (Hetero Acoustic Layer SAW)
3. 板波

第2章 弾性体の基礎
1. 結晶構造
2. 結晶内の面の位置と方向(ミラー定数)
3. 弾性体における応力と歪
3.1 歪と変位
3.2 応力と歪
4. 立方晶系基板における運動方程式
5. 立方晶系基板における[100](x)方向のバルク波縦波
6. 立方晶系基板におけるバルク波横波
7. 立方晶系基板におけるレイリー波の解析

第3章 圧電方程式を用いた解析
1. 圧電方程式
1.1 圧電方程式と材料定数
1.2 電気機械結合係数
2. バルク波の振動
2.1 薄板の厚み縦振動
2.2 薄板の厚みすべり振動
2.3 メイソンの等価回路
2.3.1 矩形板上の長さ振動
2.3.2 薄板の厚み縦振動
2.4 高次モード(オーバートーン)の励振
3. 圧電基板におけるSAWの解析(Campbell-Joneの方法)
3.1 圧電基板上のSAW
3.2 2層構造(圧電膜/基板)におけるSAW
4. 共振子の等価回路
5. オイラー角

第4章 SAWデバイスの基本原理と構造
【4.1】 SAWデバイスの種類と構造
1. SAWの基礎
2. SAW共振子
2.1 1ポートSAW共振子
2.2 2ポートSAW共振子
3. SAW フィルタ
3.1 トランスバーサル型SAWフィルタ
3.2 共振子型多重モードSAWフィルタ
3.3 SAWラダーフィルタ

【4.2】 SAWセンサ
1. はじめに
2. SAWセンサの基本構造
3. SAWセンサの分類
4. SAWセンサの特徴と相対測定の必要性
5. SAWセンサの測定系
6. SAWセンサの測定原理
7. SAWセンサの測定例
7.1 温度の影響の低減
7.2 SAWバイオセンサの例~阻害反応を利用した残留農薬測定~
7.3 SAWを用いた液体の連続測定
7.4 インピーダンス負荷SAWセンサ
8. あとがき

【4.3】 SAWアクチュエータ
1. はじめに
2. モータの構成と摩擦駆動
2.1 モータの構成
2.2 スライダ
2.3 摩擦駆動
3. 波動の駆動方法と弾性表面波素子
3.1 電極の基本構成
3.2 受波電極での整合負荷条件
3.3 励振波動
4. 出力特性
4.1 モータの無負荷速度応答
4.2 モータの推力
4.3 予圧変化による応答の変化
5. 摩擦駆動モデルとシミュレーション
6. その他の試作例
6.1 エネルギー環流駆動
6.2 高周波化
6.3 平面2軸モータ
7. まとめ

【4.4】 弾性波材料

第5章 SAWデバイス作製プロセス
1. エッチング方法による電極作製プロセス
2. リフトオフによる電極形成
3. 後(加工工程)工程

第6章 SAWの特性向上
【6.1】 SAW特性に必要とされる特性

【6.2】 Q特性の向上
1. 漏洩成分の削除
2. 低抵抗Al電極
3. IDT形状
4. Hetero Acoustic Layer(HAL)SAW
5. SAWの電極設計

【6.3】 温度特性の改善されたSAWデバイス

【6.4】 LSAW共振子からの弾性波漏洩(要約)
【6.4】 Acoustic leakages from LSAW resonators
1. Analysis of LSAW side radiation
2. Suppression of LSAW side radiation by narrow finger electrodes
3. Suppression of LSAW side radiation by thick busbars
4. Analysis of Rayleigh wave radiation

【6.5】 デュプレクサにおけるアイソレーション(要約)
【6.5】 Enhancement of isolation in acoustic duplexers
1. Importance of isolation in acoustic duplexers
2. Duplexer isolation
3. Enhancement of duplexer isolation
3.1 Example.1
3.2 Example.2

【6.6】 耐電力特性
1. 合金Al電極
2. 積層電極
3. エピタキシャルAl電極

【6.7】 横モードの抑制(要約)
【6.7】 Suppression of transverse modes
1. Apodization
2. Piston mode
3. Vertical slowness curve

【6.8】 フィルタカットオフの急峻化(要約)
【6.8】 Steep cut-off filters
1. Coupling reduction for ladder filters
2. Reactance effect for DMS filters

第7章 注目されるSAW技術
【7.1】 異基板層状構造(Hetero Acoustic Layer)SAWデバイス
1. ZnO膜/基板
2. SiO2 膜/電極/圧電基板
3. LT,LN薄板と線膨張係数の小さな基板との組み合わせ
3.1 LT薄板/サファイア
3.2 LT薄板/Si基板
3.3 LT, LN/スピネル基板
3.4 LT, LN/ガラス基板
4. LT/SiO2/Si基板
5. LT, LN/水晶構造
6. MEMS構造(空洞型)板波デバイス
6.1 高音速板波
6.2 広帯域板波

【7.2】 音響多層膜SAW
1. X LN薄板と音響多層膜を組み合わせたLLSAW共振子
2. 25~30°YX-LN薄板と音響多層膜を組み合わせた広帯域SAWデバイス

【7.3】 高音速・高周波数化
1. はじめに
2. 高音速LLSAWを用いた高周波化
3. 高次モードSAW
4. ハーモニックSAW
4.1 IDTのMRを0.8にしたハーモニックSAW
4.2 基板中にIDT電極を埋め込んだ構造
5. 高音速板波
5.1 LN薄板
5.2 LT薄板
5.3 AlN薄膜
6. むすび

【7.4】 圧電単結晶基板(ウェハ)の製造技術
1. はじめに
2. 圧電単結晶ウェハの製造工程
3. 精密研削加工技術

第8章 SAWデバイスの設計
【8.1】 FEMのよるSAWの解析
1. 有限要素法(Finite Element Method)の概略
1.1 無限領域の扱い
1.2 Perfectly matched layer
2. Finite element method のSAW への応用
2.1 変分原理
2.2 不連続領域Ω2 の離散化
2.3 半無限基板領域Ω1 の離散化
2.4 半無限真空領域Ω3 の離散化
2.5 有限要素モデルの行列方程式
2.6 分散曲線の算出
2.7 無限長IDT の周波数特性
3. モード結合理論
3.1 弾性表面波
3.1.1 結合係数と変換係数の決定
3.2 漏洩弾性表面波
3.3 デバイス特性の計算
4. 等価回路
4.1 短絡グレーティングの等価回路を用いたr とbs の決定
4.2 開放グレーティングの等価回路を用いた変成比の決定
4.3  アドミタンス行列を用いるデバイス特性計算
4.3.1 アドミタンス行列
4.3.2 アドミタンス行列の数値計算上の注意
4.3.3 IDT,一端子対共振器の入力アドミタンス
4.3.4 二端子対デバイスのアドミタンス行列と挿入損失

【8.2】 トランスバーサルフィルタ
1. SAWトランスバーサルフィルタの基本原理
2. IDTの構造と重み付け方法
3. IDTの電気的特性と外部回路の影響
4. その他のスプリアス
5. 一方向性IDT
6. 周波数特性の解析方法
6.1 デルタ関数モデル
6.2 等価回路モデル
6.3 Pマトリクスモデル
6.4 モード結合理論による解析
7. トランスバーサルフィルタの設計法
7.1 窓関数法
7.2 ビルデイングブロック法
7.3 レメッツ交換法
7.4 線形計画法および非線形計画法
7.5 確率論的アルゴリズム
7.6 TV用VIFフィルタの設計
8. トランスバーサルフィルタの応用例

【8.3】 共振子型多重モードSAWフィルタ
1. SAW共振子と共振モード
1.1 SAW共振子の基本構成
1.2 グレーティング反射器と1ポート共振子の等価回路
1.3 縦モード共振
1.4 横モード共振
2. 共振子型多重モードSAWフィルタの原理
2.1 共振子型SAWフィルタと共振モードの結合
2.2 共振子型多重モードSAWフィルタの実現方法
2.3 共振子型多重モードSAWフィルタの等価回路
2.4 フィルタの縦続接続
3. 縦結合多重モードSAWフィルタの設計
3.1 IDTの反射の影響
3.2 2─IDT構成の設計
3.3 3─IDT構成の設計
3.4 5─IDT構成の設計
3.5 エネルギー蓄積効果とQARP構造
3.6 分散ギャップ構造
3.7 ピッチ変調構造
3.8 電気的結合による広帯域化
3.9 減衰特性の改善とスプリアス抑圧
4. 横結合多重モードSAWフィルタの設計
4.1 導波路モードの周波数とフィルタ特性解析
4.2 広帯域化
4.2.1 高次横モードを用いる方法
4.2.2 横モードと縦モードを組み合わせる方法
4.2.3 結合ギャップのSAW音速をIDT部の音速に近づける方法
5. SH波を用いた多重モードフィルタの小型化
5.1 端面反射型SAW多重モードフィルタ
5.1.1 端面反射型縦結合多重モードSAWフィルタ
5.1.2 端面反射型横結合多重モードSAWフィルタ
5.2 重い金属を用いた電極によるSH波多重モードフィルタ

【8.4】 ラダー型SAWフィルタ
1. 1ポートSAW共振子
2. ラダー型SAWフィルタの構成
3. ラダー型SAWフィルタの動作原理
4. ラダー型SAWフィルタの設計方法と特性向上
4.1 インピーダンス整合
4.2 帯域外抑圧度
4.3 広帯域化
4.4 最適化手法によるフィルタの設計方法
4.5 実用化例
4.6 高周波化
4.7 共振子型多重モードフィルタ(DMS型フィルタ)との比較および特徴
5. ラダー型SAWフィルタを用いたアンテナデュプレクサの設計
5.1 アンテナデュプレクサとは
5.2 アンテナデュプレクサの設計方法と特性
6. ラダー型SAWフィルタのさらなる改善について ─特に横モードスプリアス解析について─
6.1 COMSOL PDEによる2次元COMの解析
6.2 スカラーポテンシャル法による解析

第9章 BAWデバイス
【9.1】 基本原理と特性
1. 構造と動作原理
2. 材料と構成
3. 基本性能
3.1 フィルタ設計手法,SAWとの比較
3.2 BAW共振器を使用したラダー型フィルタの基本動作
3.3 BAWフィルタ特性

【9.2】 製作プロセス・成膜技術

【9.3】 フィルタ・マルチプレクサの設計
1. ラダーフィルタの設計
2. デュプレクサ・マルチプレクサ

【9.4】 性能改善技術
1. 温度特性の改善
1.1 基板の放熱について
1.2 TCFの改善手法
2. ドーピングによる結合係数の改善
3. 単結晶薄膜の利用
3.1 LNを使用したFBAR
3.2 LTを使用したSMR型BAW
4. Q値の改善

【9.5】 弾性波のエネルギー閉じ込め
1. 分散特性
1.1 支配方程式
1.2 材料定数
1.3 境界条件
1.4 振動解の仮定
2. エネルギー閉じ込め理論
3. スプリアスの抑制とピストンモード
4. 分散特性のデザイン

【9.6】 耐電力および非線形特性

【9.7】 実装とパッケージ
1. ウエハレベルパッケージ(WLP)
2. 境界波
3. Active素子との集積化

【9.8】 今後の開発動向
1. 高周波領域への展開
2. 発振器への応用
3. BAWセンサー

第10章 5G/ポスト5Gに向けたディジタルRF技術とマイクロ波/ミリ波フィルタへの期待

第11章 SAWデバイス実用化例
1. まえがき
2. 圧電セラミックを用いたTV用SAWフィルタの実用化
3. ZnO/ガラス構造TV用フィルタ
3.1 ガラスの割れや反り
3.2 ワックスぬけ不良
3.3 吸音剤の改善
3.4 部分的に段差を持つ金属マスクの考案
3.5 ターゲット研磨
3.6 ガラス基板に起因した周波数ばらつき
3.7 有機高分子樹脂による周波数調整方法の開発
3.8 ZnO膜表面研磨による特性ばらつきの低減
3.9 ZnO膜クラック