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車載用リチウムイオン電池の開発と市場 2024


定価 ¥ 91,300(税込)
販売価格 ¥ 91,300(税込)
商品番号:dc0255
ISBN: 978-4-7813-1755-7


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■発刊日:2023年9月29日
■販売者:パテントテック社
■出版社:株式会社シーエムシー出版
■資料体裁:B5判、241頁

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★コロナ明けの自動車需要の回復とさらなるEV化の加速を背景に,2023年に市場規模が5兆円に達すると予測されている車載用リチウムイオン電池!
★その市場規模の急拡大に合わせるように活発化する設備投資や電池・自動車メーカーの合従連衡!
★激動の車載用リチウムイオン電池の開発動向および市場動向について丁寧にまとめた一冊!

■刊行にあたって

 リチウムイオン電池材料の世界市場は,2022年には9兆円に迫ると見込まれている。特に環境規制対応を背景にしたEV向けと,再生可能エネルギーの利用促進のための電力貯蔵システム(Energy Storage System:ESS)向けの需要の大幅な増加によって市場は継続的に拡大しており,2024年には10兆円を突破し,2025年には12兆2,000億円の市場を形成すると予測されている。
 中でも車載用リチウムイオン電池の市場規模は,2023年に5兆円に達することが予測されている。中国の調査会社は,リチウムイオン電池の世界出荷量は2025年に2,211.8GWh,2030年には6,080.4GWhに増えると予測し,年平均伸び率は22.8%になるという見通しを示している。この背景には,コロナ明けの自動車需要の回復と,さらなるEV化の加速がある。
 車載用リチウムイオン電池の市場規模の急拡大に合わせるように,投資も活発化している。年産能力がGWh級の大規模工場,通称「ギガファクトリー」の計画が相次いでいる。特に電池メーカーと自動車メーカーの多くが,それぞれ単独あるいは協調し,兆円単位の投資をして電池工場を建設中である。また,電池メーカーと自動車メーカーの複雑な合従連衡も進んでいる。
 一方,既存のリチウムイオン電池技術をセルのエネルギー密度で大きく超える次世代電池の実用化もいよいよ始まってきた。しかも,1社ではなく,多数の電池メーカーが異なる技術で次々に量産を開始している。まだ量産に至っていない電池メーカーに対しても,自動車メーカー各社による青田買いも始まってきた。
 上記のように激動の車載用リチウムイオン電池の開発動向および市場動向を今一度まとめたいとの考えから,本書は誕生した。
 本書【開発編】では,第一線でご活躍中の専門家の方々にお願いし,車載用リチウムイオン電池を取り巻く技術動向全体を俯瞰した後,正極材料,負極材料,電解液,車載用全固体電池,断熱ゴムによる熱暴走・発火抑制,車載バッテリーケース,バッテリマネジメントシステム,発熱・劣化モデリング,性能・安全性評価,エネルギー・マネジメント技術,劣化状態診断技術,リユース・リサイクル,車載用リチウムイオン電池循環市場の国際標準化などについての開発・技術動向を執筆頂いた。
 【市場編】では,リチウムイオン電池の生産概況,構成材料の市場動向,電動車の市場動向,車載用リチウムイオン電池主要メーカーの動向,自動車メーカーの動向について調べあげた。
 本書が車載用リチウムイオン電池に関する技術開発,製品販売,利用されている方々へ向けて,マーケティング活動の一助となれば幸いである。

岩森 暁
(本書「はじめに」より)

■著者一覧

佐藤 登  名古屋大学;エスペック(株);イリソ電子工業(株)
藪内直明  横浜国立大学
馬場良貴  (株)八山
安部浩司  山口大学
作田 敦  大阪公立大学
本橋宏大  大阪公立大学
林 晃敏  大阪公立大学
堀田 透  藤倉コンポジット(株)
井上幸志郎  (株)スリーボンド
髙瀨弘嗣  デルタテックラボラトリ
高岸洋一  (株)コベルコ科研
山中拓己  (株)コベルコ科研
山上達也  (株)コベルコ科研
川邉 裕  日本カーリット(株)
坂本俊之  東海大学
有馬理仁  大和製罐(株)
福代和宏  山口大学
中村 崇  福岡県リサイクル総合研究事業化センター



【開発編】
第1章 車載用リチウムイオン電池を取り巻く技術動向
1 各国の電池戦略と日本戦略の差異
2 自動車業界と電池業界における車載電池のビジネス動向
2.1 自動車業界に課せられている環境規制
2.2 自動車各社の法規に適合させるビジネスモデル
2.2.1 日系自動車各社の展開
2.2.2 欧米勢を中心としたEVシフトと各社戦略
2.2.3 中国におけるエコカー政策
3 電池業界の動向と戦略
3.1 日系電池業界の動向と戦略
3.2 グローバル市場で存在感を示す韓国勢
3.3 躍進する中国勢
4 車載電池の再利用およびリサイクル動向
4.1 車載電池の再利用とリサイクルのビジネスモデル
4.2 資源リサイクルのビジネスモデル
4.3 EUの電池リサイクル法案
5 おわりに

第2章 次世代リチウムイオン電池用正極材料開発       
1 はじめに
2 リチウム過剰マンガン系酸フッ化物材料
3 リチウム過剰バナジウム系不規則岩塩型材料
4 おわりに

第3章 負極材料の開発動向                    
1 はじめに
2 黒鉛系負極の課題など
2.1 開発の歴史
2.2 コスト
2.3 ハンドリング
2.4 電池特性
2.5 材料開発の方法
3 黒鉛系負極の最新技術
3.1 金属系負極
3.2 黒鉛系材料
3.3 電解液技術
3.4 各種導電材
3.5 バインダ技術
3.6 プロセス技術
4 将来展望

第4章 電解液の開発動向 
1 序論
2 ベース電解液の高純度化
3 負極の界面制御の必要性
4 添加剤の設計
5 電解液以外で行う負極表面コーティングの落とし穴
6 添加剤VC(ビニレンカーボネート)使用の注意点
7 添加剤PS(1,3-プロパンスルトン)の間違った見解
8 正極用添加剤
9 安全性向上添加剤(過充電防止)
10 不燃化・難燃化の期待と現実
11 抵抗低減添加剤
12 今後の展望

第5章 車載用全固体電池開発の最先端           
1 はじめに
2 全固体電池の構造
3 車載用電池としての全固体電池の魅力
4 全固体電池の材料開発動向
4.1 固体電解質の開発
4.2 全固体電池向けの電極材料の開発
4.3 生産プロセス
5 次々世代の全固体電池
5.1 全固体リチウム-硫黄電池
5.2 全固体ナトリウム電池
6 おわりに

第6章 熱膨張断熱ゴムの特徴と自動車用リチウムイオン電池の熱暴走,発火抑制への応用
1 はじめに
2 LIBの熱暴走発生メカニズムと安全対策
2.1 LIBの熱暴走発生メカニズム
2.2 LIBの安全対策
3 各種耐火ゴムと熱膨張断熱ゴム
4 LIBの安全性向上のための熱膨張断熱ゴムの役割り
5 熱膨張断熱ゴムとは
6 熱膨張断熱ゴムの膨張特性
6.1 膨張率
6.2 膨張時の反力
6.3 熱伝導性
7 熱膨張断熱ゴムのゴム材料(材質)等について
7.1 ベースポリマー(ゴム材質)と配合
7.2 耐電解液性
7.3 難燃性
8 おわりに

第7章 車載バッテリーケースに最適化した液状ガスケットの開発事例                      
1 はじめに
2 ガスケットの種類について
3 従来の自動車市場での液状ガスケットの使われ方
4 車載バッテリーケースシールに求められる機能と特性について
4.1 難燃性付与液状ガスケットの特性
4.2 耐久性
4.3 電気特性
5 おわりに

第8章 バッテリマネジメントシステムの設計手法
1 バッテリマネジメントシステムの電気設計
1.1 バッテリマネジメントシステムの要求仕様
1.2 マイコン周辺のブロック図
1.3 接点回路の設計方法
1.4 システム電源との絶縁方法
1.5 電池監視ICの電源制御
2 バッテリマネジメントシステムのソフトウェア設計
2.1 マイコンの状態遷移図
2.2 バッテリマネジメントシステムのソフトウェア
2.3 セルモニターユニットの制御シーケンス
2.4 上位システムの制御シーケンス
2.5 エラー制御方法
2.5.1 セルに起因する不具合
2.5.2 システムに起因する不具合
2.5.3 外的要因による不具合

第9章 車載リチウムイオン電池の発熱・劣化モデリング 
1 はじめに
2 リチウムイオン電池の発熱・劣化モデリングの概要
3 充放電・発熱モデル(基本モデル)
4 劣化モデル
4.1 経験則
4.2 物理モデル
4.2.1 負極SEI成長モデル
4.2.2 正極劣化モデル
4.2.3 電極剥離(亀裂進展)モデル
4.2.4 Li析出モデル
4.2.5 複合劣化モデル
4.3 機械学習モデル
4.3.1 電池構成材料,充放電条件からの劣化予測
4.3.2 時系列データを用いた回帰モデル
5 まとめ

第10章 リチウムイオン電池の性能・安全性評価手法   
1 はじめに
2 性能要求に関する試験
3 「安全」の定義
4 安全性要求に関する試験
5 代表的な試験規格
6 おわりに

第11章 HEV/EVにおけるエネルギー・マネジメント技術     
1 はじめに
2 リチウムイオン電池のセル間ばらつき
3 セル間でのばらつきの解消解析
4 セル間でのばらつき解消シミュレーション
4.1 初期状態でのばらつき解消解析
4.2 初期状態でのばらつき解消シミュレーション
5 おわりに

第12章 リチウムイオン電池の劣化症状発現機構と劣化状態診断技術
1 はじめに
2 リチウムイオン電池の劣化とよく知られた経験則
3 リチウムイオン電池の劣化症状と発現機構
3.1 活物質減少(LAM: Loss of Active Material)
3.2 リチウム量減少(LLI: Loss of Lithium Inventory)
3.3 オーム抵抗増加(ORI: Ohmic Resistance Increase)
3.4 ファラデー効率低下(FRD: Faradic Rate Degradation)
3.5 副反応層形成(FPP: Formation of Parasitic Phase)
4 リチウムイオン電池の劣化状態診断技術
4.1 過渡応答変換法
4.2 充放電曲線解析法
4.3 差電圧法
4.4 適応フィルタ
4.5 機械学習
5 おわりに

第13章 電気自動車市場の成長とリチウムイオン電池のリユース・リサイクルの動向
1 電気自動車市場の成長とリチウムイオン電池の需要拡大
1.1 電気自動車市場の復活と成長
1.2 リチウムイオン電池の需要拡大
2 リユースとリサイクル
3 リサイクル技術およびビジネス
3.1 リチウムイオン電池の主要素材
3.2 リサイクル義務化の動き
3.3 リサイクルのプロセス
3.4 狭義のリサイクル:乾式精錬
3.5 狭義のリサイクル:湿式精錬の予備処理
3.6 狭義のリサイクル:湿式精錬
3.7 リサイクルのコスト構造
4 リユース技術およびビジネス
4.1 リユースプロセス
4.2 診断技術
4.3 リパーパスと用途開発
4.4 住宅分野における蓄電需要
4.5 リユースの事業性

第14章 車載用リチウムイオン電池循環市場の構築に向けた国際標準化動向と課題
1 はじめに
2 リチウムイオン電池の循環の在り方
3 関連する国際標準の動き
3.1 サーキュラーエコノミー TC323
3.2 リチウム TC333
4 循環構築の課題と標準化
4.1 リユース
4.1.1 診断技術
4.2 リサイクル
4.2.1 廃自動車からのバッテリーパックの安全かつ迅速な取り外し
4.2.2 LiBの輸送
4.2.3 失活を含めたリサイクル前処理
5 まとめ

【市場編】
第1章 リチウムイオン電池の生産概況
1 概要
2 市場動向
3 用途動向

第2章 構成材料の市場動向
1 全体概要
2 正極材料
3 負極材料
4 電解液
5 セパレータ
6 集電体
7 バインダ
8 保護用IC
9 PTCサーミスタ
10 電池パック材料

第3章 電動車の市場動向
1 電気自動車(EV)
2 ハイブリッド自動車(HV)
3 プラグインハイブリッド自動車(PHEV)
4 燃料電池車(FCV)
5 48Vハイブリッドシステム車(マイルドハイブリッド車)

第4章 車載用リチウムイオン電池主要メーカーの動向
1 パナソニック
2 プライムアースEVエナジー
3 村田製作所
4 東芝
5 AESC グループ(旧エンビジョンAESC)
6 ジーエス・ユアサ コーポレーション
7 リチウムエナジー ジャパン
8 ブルーエナジー
9 ビークルエナジー ジャパン
10 レゾナック
11 マクセル
12 エナックス
13 エリーパワー
14 Samsung SDI Co.,Ltd
15 SK innovation Co., Ltd(SK On)
16 LG Energy Solution Ltd
17 Tianjin Lishem Battery Joint‒Stock Co., Ltd(天津力神電池)
18 Amperex Technology Ltd(略称:CATL,寧徳時代新能源科技)

第5章 自動車メーカーの動向
1 トヨタ自動車
2 日産自動車
3 本田技研工業
4 三菱自動車工業
5 マツダ
6 SUBARU
7 スズキ
8 ダイハツ工業
9 Volkswagen Group
10 Mercedes-Benz Group AG
11 BMW
12 Stellantis N.V.
13 Renault
14 Volvo Cars
15 General Motors
16 Ford Motor
17 Tesla
18 現代・起亜自動車
19 比亜迪(BYD)
20 北京新能源汽車(BJEV)
21 吉利汽車(Geely)
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